通信販売で商品を購入したが組み立てられないので返品したい。
相談内容
2009年12月、通信販売業者Xのテレビ広告を見て電話で高圧洗浄機を注文した。支払はクレジットでの一括払いである。申込みをした日の翌々日に商品が届き、組み立てをしようとしたが、非常に複雑で説明書の内容を理解することができなかった。そこで、娘夫婦に組み立ててもらい、やっと使用できるようになったが、組み立て方法に問題があったのか圧力がかからず、高圧洗浄機としての用をなさなかった。使えないのでは意味がないので、返品したいとXに連絡した。
しかし、Xは、「商品に瑕疵があるのであれば、返品を受けるが、単に組み立てが適切でない可能性がある。瑕疵がある場合でも、輸入品なので製造業者に問い合わせる必要があるので、判断には時間がかかる」等と言われすぐに返品に応じてもらえなかった。組み立てが複雑であることについてテレビ広告では一切触れられておらず、それを認識していたのならば購入しなかった。テレビ広告では返品に関する記載は一切なかった。一度使用している商品でも契約解除の主張をすることはできないだろうか。
ここに注意!
通信販売の場合、申込みの撤回や売買契約の解除に関することについての特約を広告に記載していない場合には、商品の引渡し等を受けた日から8日間は、当該契約の申込みの撤回又は契約の解除を行うことができます。ただし、商品が既に引渡されていた場合には、その返還に要する費用は、消費者の負担となります。なお、広告に一度購入したものは返品不可と記載があった場合には、商品に隠れた瑕疵(傷や欠陥)がない限り、原則として返品できません。
消費者の方々へのアドバイス
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通信販売にはクーリング・オフの制度はありません。
通信販売には、訪問販売や電話勧誘販売のように無条件解約(クーリング・オフ)制度はありません。ただし、広告に返品についての特段の記載がない場合には、商品を受け取った日から8日間は、契約の申込みの撤回や契約の解除を行うことができます。その場合には、返還に要する費用は消費者が負担しなければなりません。なお、広告に予め事業者が「返品不可」「契約成立後の解約は不可」等、返品ができない旨の特約が記載されている場合には、原則として、契約の解除ができません。注文の前に返品特約の記載内容をよく確認しましょう。 - 特定商取引法では、通信販売についての広告をしようとする事業者には、当該広告に必要表示事項(「販売価格」「送料」「その他の負担すべき金銭」「代金の支払い時期」「商品の引渡時期」「代金の支払方法」「返品特約(その特約の有無を含む)」「事業者の名称」「事業者の住所」「事業者の電話番号」「代表者氏名(又は通販業務担当者の氏名)」等)を表示する義務があり、また誇大広告等(著しく事実に相違する表示、実際のものより著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示)が禁止されています。これらを守っていない事業者とは取引しないよう十分に注意しましょう。
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返品に関するルールが変わりました。
通信販売業者が通信販売の広告の中で、契約申込みの撤回に関する特約を記載していない限り、当該売買契約については、商品が引き渡された日又は指定権利の移転を受けた日から起算して8日間は返品が認められています。ただし、広告の中で返品不可等の特約が記載されている場合には、特約が優先され返品はできませんので、注意が必要です。 なお、返品をする場合の商品の引取りや返還に要する費用は、原則、購入者の負担になります。 -
インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドラインについて
インターネット・オークションにおいては、出品者の中に事業者と非事業者が混在していることが多く見られます。そのため、個人の出品者であっても一定の基準(出品数や落札額)を超えるような場合等、販売業者に該当すると考えられる場合の判断基準として、特定商取引法のガイドラインがあります。