海外からのインターネット通信販売Q&A

海外から日本向けにインターネット通信販売を行う際の留意点などについてFAQをまとめましたので、参考にしてください。

海外からのインターネット通信販売Q&A

Q1現在、海外に住んでいますが、日本向けにウェブサイトで通信販売を行いたいと思っております。特定商取引に関する法律の適用対象になりますか。
A1 インターネット通販など、通信販売を行う販売業者又は役務提供事業者については、特定商取引法が適用されます。日本国内の販売業者等と海外の購入者等との取引については、特定商取引法第26条第1項第2号で「本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供」を適用除外としています。これには、例えば日本の事業者が海外に居住する者に商品を販売するなどの場合が該当しますが、海外の販売業者等が日本向けにウェブサイトなどで商品等の販売を行い、日本国内在住者が商品を購入する場合は、同項の適用除外には該当しないため、特定商取引法の適用対象となります。
Q2海外からインターネットで通信販売を始める場合、日本への申請や登録などは必要ですか。また、どのような規制がかかりますか。
A2 海外から日本向けにインターネットで通信販売を行うこと自体には、特段の許可・届出等の必要はありませんが、取り扱う商品等(例:アルコール類)によっては、それぞれの法令に基づく許認可等が必要な場合がありますので、御不明な点は法令所管省庁へ御確認ください。 通信販売を行う販売業者は、特定商取引法第11条から第13条の2までの規定等を遵守する必要があります。詳しくは 通信販売のページをご覧ください。
Q3会社等は設立せず、個人で、海外から日本向けのインターネット通信販売を行うだけです。この場合も「販売業者」に該当するのでしょうか。
A3 「販売業者」とは、販売を業として営む者の意味であり、業として営むとは、営利の意思を持って、反復継続して取引を行うことをいいます。営利の意思の有無については客観的に判断されます。会社を設立せず、個人でネットショップを開いて販売を行う場合であっても、営利の意思を持って反復継続して取引を行う場合は、法人・個人を問わず「販売業者」に該当し、特定商取引法の規制対象となります。 インターネット・オークションに出展して販売を行うのであれば、 インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドラインをご覧ください。
Q4外国人の場合、上記のネット販売をする際に、特別な制限や義務などがありますか。
A4特定商取引法の適用については、販売業者が外国人であるかどうかによって違いはありません。
ただし、外国法人や外国に住所を有する個人が日本向けに通信販売を行う場合、日本国内にも事務所等を有する場合には、その所在場所や電話番号を広告上に表示する必要があります。
Q5海外からネット通信販売を日本向けに立ち上げる際、日本のレンタル・サーバー業者にサーバーを借りる場合と、在住している国のレンタル・サーバー業者に借りる場合とで、特定商取引法の規制の違いはありますか。
A5特定商取引法の適用については、どの国のサーバーから通信販売の広告をしているかによって違いはありません。
Q6住所の記載について、海外に在住していて日本向けにネット通販をする場合、日本の実家や友人宅の住所を表示することは可能でしょうか。
A6海外で業務活動をする場合であっても、ネット通信販売に関する業務の実際の活動場所を住所として表示しなければなりません。
また、行う事業に係る事務所等を日本国内に有している場合には、その所在場所や電話番号も表示する必要があります。なお、事業に係る事務所等とはいえない場合でも、日本国内に確実に連絡を取れる連絡先が存在する場合に、その連絡先を併記すること自体は妨げられません。
Q7購入者から入金される銀行口座について、日本の銀行の場合と在住している国の銀行の場合とで、特定商取引法の規制の違いはありますか。
A7特定商取引法の適用については、支払先が日本か海外かによって違いはありません。また、消費者が入金する口座が日本国内か国外かであっても、特定商取引法の規制の内容に違いはありません。
Q8海外に居住していて、日本に居住する消費者との苦情処理を行う場合には、日本国法又は居住している国の法律のいずれが適用されるのでしょうか。
A8国境を越えた取引については、法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号)(以下「通則法」という。)により準拠法が決定されることとなります。通則法第7条で当事者による準拠法の選択が規定されておりますが、消費者契約については通則法第11条で消費者の常居所地法が優先的に適用される旨が規定されています。したがって、日本の消費者と特定商取引法の適用対象となる取引を行うのであれば、特定商取引法の規定が優先されることとなりますが、詳しくは国際私法の専門家(弁護士等)にお尋ねください。