将来公的資格になるので、そのための教材を購入するよう勧誘を受けたが大丈夫だろうか。
相談内容
数年前に職場に電話があり、リスクマネジメントに関する通信講座についての勧誘を受け、契約を締結したことがある。当時の契約書面等は既に破棄しており、事業者名等を含め、契約の詳細は覚えていないが、当該通信講座の終了後も、様々な事業者から「名簿が漏れている」等との電話が頻繁にかかってきている。電話がくるたび、二度と連絡をしないようにと強く断っている。ところが、先日Xから「リスクマネジメントの優遇制度ができ、リスクマネジメントに関する資格はいずれ行政に引き上げられるようになる。関連資料を送る」との電話がきた。資料を受け取るだけならばと思い、資料の送付については了解をした。資料が届くと、Xの別の担当者から連絡があり、「以前、リスクマネジメントに関する通信講座を受講した人に対して連絡をしている。案内は届いたか」等と言われ、リスクマネジメントに関する新たな講座を受講するよう勧誘を受けた。今回も断りたいとは思っているが、「リスクマネジメントに関する資格は公的なものに引き上げられる」という言葉が気になり、断るのに少し迷っている。
Xの話の信憑性を確認しようと、最寄りの商工会議所にリスクマネジメントの資格で行政に引き上げられるものがあるのか問い合わせたが、「そのような事実はない」と言われた。リスクマネジメントの優遇制度ができたり、資格が行政に引き上げられる等の動きは実際にあるのか。
◎ 過去に受講した資格講座が終了しておらず、合格するためと称して特別講座を勧めたり、あたかも公的な機関の関与があるかのような名称を騙り、「この資格は、間もなく国家資格に認定される。」等と虚偽のことを告げ、契約を結ばせようとする事例が見られます。
ここに注意!
特定商取引法では、電話勧誘販売において、事業者の不実告知や重要事項の不告知があって誤認して契約した場合には、契約の意思表示の取消しができます。「近々、この資格は公的資格に認定される。」というような虚偽のことを告げられ誤認して契約してしまった場合も取消ができます。
また、勧誘に際して、あたかも公的な機関の関与があるようなことを騙る事業者がいますが、 国等の公的機関がこうした勧誘に関与することはありません。
事業者の言うことを鵜呑みにせず、不明な点はきちんと確認をし、納得できなければ、はっきりと断ることが必要です。
消費者の方々へのアドバイス
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契約書面を受領した日から8日間はクーリング・オフができます。
また、事業者の側に不実告知又は威迫行為があり、消費者が誤認又は困惑してクーリング・オフを行わなかったときは、クーリング・オフ期限が延長されます。(法第24条) - 勧誘に際して事業者側の不実告知や重要事項の故意の不告知により消費者が誤認して行った契約の申込みや承諾の意思表示は取消しができます。(法第24条の2)
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過去に公的資格を取得するための講座や教材などを購入したことがあると、事業者間で契約者の名簿が出回っていることがあり、数年後に別の事業者から「国からの指導があり、あなたは契約を続けるか、やめるための手続きをしなければならない。」等と言って新たな契約の締結についての勧誘をされることがあります。
このような販売方法は資格商法の二次被害と呼ばれています。これは新たな契約の締結の勧誘であり、契約しなければならない義務はありません。不必要なものは、はっきりと断りましょう。 -
しつこい勧誘に対しては、契約しないことをはっきり言いましょう。
電話勧誘販売において、契約を締結しない旨の意思を表示した消費者に対し、同じ電話で引き続き、又は再度電話をかけ直して勧誘をすることは、特定商取引法で禁止されています。曖昧な返事はせず、はっきりと契約する意思がないことを伝えましょう。(法第17条) -
早く電話を切りたいために「とりあえず資料だけでも送ってください。」などと安易に資料などを請求することは、事業者に氏名、住所、電話番号などを知らせることになってしまいます。また、曖昧な返事をしたために、事業者から「あなたは資料の申込みをされたでしょう。それは契約したことになるのですよ。」と虚偽のことを言われ、契約の締結を迫られる悪質なケースが見られます。不必要な契約は、はっきり断ることが大事です。
【契約をしてしまったら】
<1.クーリング・オフ制度>
電話勧誘販売取引による契約は、契約内容を記載した書面を受領してから8日以内であれば、書面によりクーリング・オフ(契約の解除)ができます。
<2.契約の意思表示の取消し>
勧誘に際して事業者側の不実告知や重要事項の故意の不告知により消費者が誤認して行った契約の申込みや承諾の意思表示は、取消しができます。
<3.クーリング・オフ妨害があった場合>
事業者の側に不実告知又は威迫行為があり、それにより消費者が誤認又は困惑してクーリング・オフを行わなかったときは、契約内容を記載した書面を受領してから8日を経過していても、新たにクーリング・オフができる旨を明示した書面を受領した日から8日経過するまでクーリング・オフができます。